【劫財/帝旺】は、とても強いパワーを持つ星の組み合わせです。
しかし、強い星なだけに、この星の良さを活かすことができていない方もいます。
実際、命式に【劫財/帝旺】が2つ、3つある女性のお客様の鑑定を通じて、ある共通点が浮き彫りになりました。
それは、「自分らしく生きたい」という強い欲求を抑制(抑圧)し、自己矛盾に苦しんで生きてきた、という点です。
今回は、命式に【劫財/帝旺】が2つ、3つある女性のケースを取り上げ、いわゆる「陰転」の要因と、陰転から抜け出す方法についてお話しします。
この記事は、次のような女性に向けて書きました。
- 女性で、命式に【劫財/帝旺】が2つ以上ある方
- 【劫財/帝旺】をポジティブに受け止められていない女性
- 【劫財/帝旺】があるのに、自分らしく生きられていないことに苦しみを抱えている女性
くるみ
このまま読み進めて、理解を深めてくださいね!
劫財/帝旺を持つ女性に共通の悩み「陰転」とは?
陰転とは、自分の命式にある星の性質を活かすことができなくて、ネガティブな状態に陥っている状態をいいます。
【劫財/帝旺】のポジティブな状態とは、「自分の個性やバイタリティを活かして、自分の欲求に忠実に生きること」です。
しかし、陰転すると【劫財/帝旺】のネガティブな面が表に顕れやすくなります。
具体的には、「卑屈になる、目立たないようにふるまう、あれこれ迷いがちになる…」といった具合です。
運命を開運させる秘訣は、自分の命式の特長を理解し、これを活かして生きることにあります。
だからこそ、【劫財/帝旺】が命式にある女性で、生きづらさを抱えている場合、まずは陰転の理由を探り、これを受け入れることが大切だといえるのです。
「陰転」の要因を探る2つの視点
陰転の要因は、大きく「内的要因」「外的要因」の2つに分けられます。
内的要因とは、命式上に要因を見出すこと。
次の項でお話しする「通変のカモフラージュ現象」がそれにあたります。
もう一つの外的要因とは、生育環境に要因を見出すこと。
つまり、両親の命式がその人の命式に及ぼす影響を探ることを意味します。
通変のカモフラージュ現象
「通変のカモフラージュ現象」とは、四柱推命の師匠・浅野太志先生が著書『四柱推命完全マニュアル』の中で指摘されている知見です。
浅野先生は、延べ一万人以上の命式のデータを通して「通変から読む性格がどうもあたっていないのではないか?」という事例が多く見られたため、よく見直してみたところ、一定の法則が浮き彫りになったと著書でお話しされています。
それが、「通変のカモフラージュ現象」です。
ある一つの通変(五行と捉えても良い)が極端に多いと、それを抑える通変が、実際にはその命式に無くても、まるで抗体のように作用するということです。例えば、自星があまりにも強くなっている人の何割かは、むしろその自星を抑える官星の性格が前面に出ているようになっているということです。(『四柱推命完全マニュアル』P.333)
この引用部分にある「自星」とは、【比肩】や【劫財】を指しています。
実際、私が行っている鑑定では、【比肩】や【劫財】の割合が多い命式を持つ女性の大半が、【官星】の性質を重視した生き方をしていました。
【官星】の性質を重視した生き方とは、次の通りです。
- 自制心や従順さ、真面目さを大切に生きる
- 組織や社会に忠実に生きる
- 自分の欲求を抑え、人の意見を重んじる
しかし、【比肩】や【劫財】の割合が多い命式、【劫財/帝旺】が2つ、3つある命式の場合、本来なら【自星】の性質を重視した生き方を意識して選ぶことで、自分らしく生きることができます。
- 自分らしさのこだわりを大切に生きる
- 個性やオリジナリティを出して生きる
- 自立心や独立心を大切に生きる
- 対等な立場を意識して生きる
私の四柱推命鑑定に利用してくれた、命式に【劫財/帝旺】が2つ、3つを持つ女性の中には、【官星】重視の生き方を無意識のうちに選び、自己矛盾を抱えながら苦しんで生きてこられる方もいらっしゃいました。
「この、わけのわからない苦しみから抜け出すためにどうしたらよいのか?」
彼女たちは打開策を求めて、私の《四柱推命★フォーチュンセッション》を受けてくださった…
そのように受け止めています。
くるみ
劫財/帝旺が2つある女性(Aさんの場合)
まずは、Aさんの「陰転した人生」にまつわるコメントを見ていきましょう。
Aさんのふりかえり(陰転、悩みの内容)
- 父から常にダメ出しをされ、禁止の多い家庭で育った
- 父は、男尊女卑の考え方が強く、母に暴言や暴力をふるうこともあった(母は耐えていた)
- このような家庭で育ち、のびのびと過ごすことができなかった
- 「自分の好きなもの」を聞かれて、回答に困った。その理由として、自分のやることなすことをいつも否定してきた父親との関係があるのではないか?と考えた
ご両親の命式を調べたところ、Aさんの人生を陰転させた要因が生育環境(ご両親の存在)にあることが読み取れました。
Aさんのお父様は日主【壬 みずのえ】、お母様は日主【癸 みずのと】。
※日主=日柱の十干のこと
ご両親そろって水の五行が非常に強いタイプだったからです。
こちらがご両親の命式です。
日主が水で、水の五行が強い命式で、大洪水の状態を表す「強水」というタイプです。
いっぽう、Aさんは日主【丁 ひのと】で、火の五行が非常に強いタイプです。
参考までにAさんの命式の五行バランスに、ご両親の命式がどのように影響するのか、図にしてみました。
Aさんの強い火の五行(丁)が、両親の強い水の五行(壬、癸)で消されてしまう関係であることがわかりました。
くるみ
陰転から抜け出す方法(Aさんへの提案)
Aさんが陰転から抜け出す方法は、2つあります。
- 自分の命式の特長を理解し、受け入れること
- 自分の命式に良い影響を与える星(これを 用神 という)を意識した行動を積極的に取ること
この2つです。
1については、「比劫 (自星) 突出タイプ」の性質を理解し、これを受け入れることです。
※【劫財/帝旺】が2つ以上ある命式は、大概「比劫 (自星) 突出タイプ」になります。
一言でいうと「自分のやりたいことを明確にし、つねに自分に忠実に生きること」。
一方、やってはいけないのが「納得できないまま人の言いなりになる生き方」です。
2について、Aさんの 用神 は【財】になります。
【財】を意識した行動を意識して取ることが大切になります。
具体的には、「自分の欲求や目標をはっきりさせ、中長期的に計画を立てること」「サービス精神を発揮して、労働や奉仕をすること」などがあげられます。
実際、Aさんは、開運星である【財】の星を補う名前を《開運ビジネスネーム★ワークショップ》で創り、現在は、そのビジネスネームを使う未来に向けて、必要な取り組みを着実に進めていらっしゃいます。
劫財/帝旺が3つある女性(Bさんの場合)
続いて、Bさんの「陰転した人生」にまつわるコメントを見ていきましょう。
Bさんのふりかえり(陰転、悩みの内容)
- 人間関係で悩み、トラブルが多い
- そのため職場を転々と替えている(指示されたり、仲良しごっこを見るのも嫌い)
- 組織で働くのは無理
- 幼少期の生活でかなり偏った性格になった
- 自分の中にはもう一人の自分がいる感覚が常態化
Aさんのケースほど明解ではありませんが、ご両親の命式を調べたところ、Bさんの人生を陰転させた要因が生育環境(ご両親の存在)にあることが読み取れました。
いくつか興味深い気づきもありました。
Bさんのご両親と、強い影響を受けたお兄様の命式をからわかったポイントを先にお話しします。
① 両親そろって生月中殺 (生月空亡)
② 父は、天剋地冲 (天戦地冲) がある
③ 父と兄の日主 (日柱の十干) は、Bさんの用神
①〜③について、解説を進めていきます。
生月中殺 (生月空亡) がある方は「ハードな人生を送りやすい」傾向があると読みます。
宿命天中殺の出し方Bさんのご両親はそろって生月中殺 (生月空亡) をお持ちであることから「波乱万丈な人生」が初期設定された生まれだと読み取れました。
さらに注目したのは、お父様の命式の日干支と月干支が天剋地冲 (天戦地冲) です。
天剋地冲 (天戦地冲) には、次のような意味があります。
天剋地冲 (天戦地冲)
- 2つの干支の組み合わせのこと
- 天干同士が相剋で、地支が冲の関係
<意味>
- 衝撃的な破壊、分離、波乱の組み合わせ
- 周りを巻き込む強いパワーを持っている
- 波瀾万丈な人生を送る
- カリスマ性がある「革命家」の星
- 自分勝手でワンマンな一面があるが、そこが魅力的に映り、他人を犠牲にしたり迷惑を掛けてもトップに昇りつめる
<天剋地冲 (天戦地冲) を持つ著名人/芸能人>
桑田佳祐さん (サザンオールスターズ) 、清原和博さん、藤井聡太さん、宇多田ヒカルさん、柴咲コウさん、泉ピン子さん、田中眞紀子さん、土井たかこさん 他
天剋地冲 (天戦地冲) という概念は、戦後、四柱推命をもとに発展した「算命学」の知識です(※四柱推命では「天戦地冲」と使う場合が多い)。
天剋地冲 (天戦地冲) がある命式は、運命上に「嵐」を抱えているようなイメージ。
本人が望むと望まざるに関わらず、人生がドラマチックに展開する人が多い傾向があります。
命がけの深刻なドラマが、運命を読む命式上で繰り広げられ、これが〝生きづらさ〟につながっている場合もあります。
お父様のエピソードを伺うと、まさに天剋地冲 (天戦地冲) を地で行く「嵐のような人生」を送られた方だとわかりました。
当然ながらお母様は、お父様の影響をもっとも強く受けました。
Bさん一家は、お父様が抱える「嵐」に振り回され、まさに修羅場の日々がかなり長い期間続いたといいます。
この記事は、Bさんの「自分の人生が陰転している理由を知りたい」という一言がきっかけで書き始めました。
以上からわかるように、Bさんの陰転の要因は「ハードな人生が初期設定されたご両親の影響」である可能性が高い、と読み取ることができました。
いっぽう、とても興味深いことがわかりました。
それが、③の「父と兄の日主 (日柱の十干) は、Bさんの用神である」点です。
用神とは、その人の命式に良い作用をもたらす五行です。
Bさんの命式と五行バランスチャートは、以下のとおり。
日主 (日柱の十干) 【壬】で「超比劫突出タイプ」。
氾濫する河、大洪水のイメージの命式です。
このタイプの命式で、用神は2つあります。
一つは、【戊 つちのえ】で、この星は、氾濫する河【壬】にとって堤防の役割を果たします。
もう一つが、【甲 きのえ】で、この星は、氾濫する河【壬】の水を吸い取る役割を果たします。
じつは、Bさんのお父様が日主【戊 つちのえ】、お兄様が日主【甲 きのえ】で、Bさんの用神の星をお持ちであることがわかりました。
Bさんの人生に過酷な影響をもたらしたお二人が、Bさんの命式の開運に必要な星の持ち主であった。
なんとも不思議な気がしました。
こちらの図は、鳥海流の「円推力」のチャートです。
円推力とは、3柱(年、月、日柱)の干支番号の3点をつないで命式の特長や、人間関係を読む方法です。
お父様の三角形の中に、Bさんの小さな直線が包まれるように存在していることが見て取れ、お父様とBさんの関係に深い因縁が感じられます。
陰転から抜け出す方法(Bさんへの提案)
Bさんが陰転から抜け出す方法は、2つあります。
アドバイスの内容は、Aさんと同様で、以下2点です。
- 自分の命式の特長を理解し、受け入れること
- 自分の命式に良い影響を与える星(これを 用神 という)を意識した行動を積極的に取ること
1については、「比劫 (自星) 突出タイプ」の性質を理解し、これを受け入れることです。
※【劫財/帝旺】が3つ以上ある命式は、「比劫 (自星) 突出タイプ」になります。
ただ、Bさんの命式の五行バランスは、Aさん以上に偏りのあるタイプ。
Bさんには、以下①、②の2つ開運法をご提案します。
①内格スタイル、②外格スタイル【従旺格スタイル】を狙う方法です。
①内格スタイルで陽転させる方法
①の内格スタイルとは、日主 (日柱の十干) を中心に、命式全体の五行バランスを中庸させる方法です。
つまり、偏った五行バランスの均衡をはかるために必要な要素を取る、という意味になります。
Bさんの場合、用神の【戊】【甲】、官星(土の五行)、食傷(木の五行)を意識して補うことです。
具体的な内容は、Zoom鑑定の際にお伝えしているとおりです。
ここでは、イメージ写真とイメージ音楽をシェアしますね。
Climb Every Mountain(すべての山に登りなさい)
ミュージカル映画『サウンド・オブ・ミュージック(The Sound Of Music)』(1965年 アメリカ)の中の1曲です。
この曲をプレゼントします。
ぜひ、イメージ写真にあるような場所を訪れ、自然の豊かさを身体全体で感じる時間を過ごしてみてください。
山【戊】はお父様、樹木【甲】はお兄様、木々が生い茂る山に流れる河【壬】はお母様とBさんです。
②外格スタイルで陽転させる方法
もう一つ②の外格スタイルを狙う方法として【従旺格スタイル】があります。
金と水の五行が強くなる2020年、2021年に狙える時期が巡っています。
この【従旺格スタイル】の活かし方、デメリットは以下のとおりです。
【従旺格スタイル】
周囲に合わせることなく、自分のスタイルを維持することで成功を収められる
- ◎人の目や意見を気にせずに、自分に忠実に生きる
- ▲周囲の反発を買いやすい(柔軟な対応力、人間的魅力も必要)
基本は①内格スタイルで、金と水の五行が強くなる時期に②の従旺格スタイルを意識して狙うとよいでしょう。
ただ、もしも、いまの自分に確信が持てなくて、②の【従旺格スタイル】を狙う勇気が持てない場合は、①の内格スタイルで開運(陽転)させることをお薦めします。
まとめ
劫財/帝旺が2つ、3つある女性の事例を取り上げて「陰転の要因」を読み解き、陽転させるために何が必要か?について、書いてみました。
AさんやBさんのように、命式の特長を活かすことができなくて生きづらさを感じているなら、両親や配偶者の命式を入念に調べてみることをお薦めします。
なぜなら、家族や夫婦は一緒に過ごす時間が多く、日常的に影響を受ける存在だからです。
実際、私がお届けしている四柱推命★フォーチュンセッション(Zoom鑑定)では、家族や夫婦の鑑定も行っています。
利用された方々が揃って口にされるのは、「相手のことを理解できてよかった」「関係改善のヒントをもらえた(相手に過度な期待をしないようになった)」といったコメントです(※一部)
もともと私自身の鑑定をしていただき、家族との相関図も知りたいと思ってご依頼したのですが、より深く私自身のおかれている環境を理解することができました。家族ひとりひとりの個性も理解できますし、この人にはこういう言い方をした方がよい、など対策法もアドバイスいただける点がとてもよかったです。
良かった点は、自分が夫に元気を与える存在だったと知ったこと。
実際、鑑定当日になって「夫同伴でのZoom鑑定」になり、鑑定でわかった内容や気づきをもとに「今後の作戦会議」を開いたと報告をくださったご夫婦もいました。
険悪だった夫婦仲を四柱推命鑑定を通して見直し、二人で力を合わせてお互いの星を活かしていこう、という展開になったのです。
私がお届けしているZoom鑑定は、一見、鑑定師である私との対話のように見えますが、じつは、あなたの中のもうひとりのあなた自身との対話を始めるきっかけを提供するプログラムでもあるのです。
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ただし、「陰転している理由」がわかったとしても、「頭でわかることと、心でわかること」には大きな開きがあります。
大切なのは、心でわかること、心の底から納得できることです。
でも、陰転していた期間の長さや陰転の内実が厳しい方ほど、視界が晴れて行動変容するまでには、時間を要するものです。
そのために大切なのが、「頭で学んでわかったことを、実際に実践し、検証(ふりかえる)する行動を繰り返す」ことです。
このステップを継続することで、自分自身の真理にたどりつくと信じているからです。
さらにいえば、このステップの中で得られた気づきは、あなた自身の〝オリジナル・コンテンツの種〟になります。
四柱推命鑑定で得られた気づきを通して、厳しかった陰転人生を、あなたにしかできない〝創造活動〟で変換させてください。
そして、必要な縁をたぐりよせ、〝自分らしく生きる〟をその手に取り戻していってください。
出会えたことに感謝して、人生が陽転することをこころから応援しています♫
くるみ
かなり長文になりました😆
最後までお読みくださりありがとうございます♫