みゅうさんとお母様との関係を、四柱推命の視点でひもとくことになりました。
きっかけは、2020年5月17日、みゅうさんが自身のお母様との関係をふりかえったこちらのツイートです。
みゅうさんの書いた 《note》「母のこと」を読みました。
その後、みゅうさんの四柱推命ザツ鑑定と照らし合わせると、興味深いことが見えてきました。
四柱推命ザツ鑑定089|みゅうさんみゅうさんと数回リプでやりとりをした後、お母様の生年月日を教えてもらい命式を作成。
TwitterのDMで、お母様の命式の特長や運気をくわしくお伝えする流れになりました。
今回は、長年みゅうさんが苦しみを抱えてきたお母様との関係を、四柱推命で掘り下げてみます。
「自分と同じような機能不全の家庭に生まれ、似たような経験をされている方の参考になれば…」
そんなみゅうさんご本人の強い思いから、この記事のシェアについて許諾をいただきました。
くるみ
まずは、みゅうさんの《note》をお読みください♬
母と娘の命式について
みゅうさんの母|命式と通変星のパラメーター
くるみ
四柱推命では、その人の内面性や大切したい価値観を、命式の日柱の十干(じっかん)と干支(かんし)で読みます
みゅうさんの母|内面性・大切したい価値観
戊(つちのえ)
イメージ:高くそびえる山
キーワード:義理、現実派、信用、面倒見、親分肌、気分屋、破壊
- 基本的にどっしりとしていて頼りがいのある人
- 人を惹きつける魅力があある(山には豊かな自然があって、人が集まってくることから)
- 誰とでもすぐに仲良くなれる性分、人付き合いは広く浅い傾向
- お天気屋さんの面も(山の天気は変わりやすいことから)
- 意外と頑固な面も
戊午(つちのえうま)干支番号55
イメージ:夏の山
- 曲がったことが大嫌いで、正義感がとても強い(不正に対しては断固として立ち向かう)
- おおらかでさっぱりした性格で、つねに悠然としている
- 仕事に対する情熱は激しく、言い出したことはトコトンまでやり抜く強さを持っている
- 自信家で上昇志向の持ち主。困難を乗り越えて初心を貫徹する根性や強さを持ち合わせている
- 知的で教養がある人が多い(人を軽くあしらうような面もある)
- 人に対して寛容。冷静に人を見抜く洞察力も兼ね備えている
- 大きなことを好むものの、現実をしっかりと見ていて合理主義者
- 土壇場になると底力を発揮する
- お山の大将的なところもあるが、面倒見は良い
くるみ
つづいて、娘のみゅうさんの命式と日柱の十干(じっかん)と干支(かんし)になります
娘 みゅうさん|命式と通変星のパラメーター
娘 みゅうさん|内面性・大切したい価値観
戊(つちのえ)
イメージ:高くそびえる山
キーワード:義理、現実派、信用、面倒見、親分肌、気分屋、破壊
- 基本的にどっしりとしていて頼りがいのある人
- 人を惹きつける魅力がある(山には豊かな自然があって、人が集まってくることから)
- 誰とでもすぐに仲良くなれる性分、人付き合いは広く浅い傾向
- お天気屋さんの面も(山の天気は変わりやすいことから)
- 意外と頑固な面も
戊子(つちのえね)干支番号25
イメージ:冬の山
- 温厚で控えめな平和主義者(人とのトラブルを極端に嫌う面もある)
- 裏表がなくて明朗快活
- 正義感が強く、物事をハッキリ言うが、気持ちはとても優しい人(正直さ、率直さが仇にも助けにもなる)
- さっぱりとした人柄で、大物の雰囲気を持っている
- どんなことにも好奇心を示し、未知なるものへの挑戦、行動力を持っている
今回、みゅうさんの《note》を読んで命式で気づいたのは、お母様と縁の深い方だということです。
「母親」を意味する星【印綬】が、年柱、月柱にあるから。
実際、フィギュアスケート選手、アイドル(滝沢秀明さんことタッキー)、元貴乃花親方など、若い時期に成功を修めた方の年柱には【印綬】があります。
フィギュアスケート選手の命式の特長みゅうさんの場合、月柱にも【印綬】があるため、お母様との縁は成人以降(この場合は、50代まで)もあると読めます。
また、自立星の【劫財】、十二運星【衰】から幼い頃のみゅうさんを想像すると〝頭脳明晰で内向的な印象だけど、芯はしっかりとしていて大人びている女の子〟というイメージが浮かびます。
もし、この印象があてはまるとしたら、お母様にとって、娘のみゅうさんはやや煙たい存在だったのではないか、と想像しました。
いずれにしても、みゅうさんは命式からもお母様との縁の強い方だとわかりました。
くるみ
みゅうさんのお母様について詳しく読んでいきます
① 2つの身強の星と日柱【帝旺】
日柱は、プライベート運(家庭運)を、年柱は、先祖や両親の影響、幼少期〜成人までを読みます。
みゅうさんのお母様の命式の十二運星【帝旺】【建禄】は、身強の星。
十二運勢の運勢エネルギーの強弱は、以下の表の数字で読みます。
みゅうさんのお母様の命式の十二運星【帝旺】【建禄】は、運勢エネルギーが非常に強い星です。
身強の星が命式にある人は、社会に出てること、さらに言えば〝出世(キャリアアップ)をめざすこと〟が大切なタイプ。
とくに女性で身強の星を持っていて、ご自身が結婚を望んでいる場合「晩婚で幸せをつかむタイプ」と読みます。
みゅうさんのお母様の日柱は、【帝旺】という十二運星最強の〝王様〟の星です。
【帝旺】は、辣腕経営者の命式によく見られる星です(あのカルロス・ゴーン氏も仕事運を読む月柱に【劫財 / 帝旺】を持っています)。
日柱【帝旺】は、家庭の中で〝王様〟のような強い力を発揮する、と読みます。
くるみ
みゅうさんの《note》の気になった部分を引用してみます
母の性格上、他人とのトラブルも多く、あまり友達もいなかったようで、助けてくれる友人や親戚はまわりにいませんでした。
だからなのか…育児のイライラはそのまま私にぶつけられました。
あなたがいるから自由な時間がない!
あなたがいるからゆっくり寝られない!
あなたがいるから面倒な役員をやらなきゃいけないでしょ!
妹が生まれると、これがさらに激しくなります。
十二運勢【帝旺】を持つ人は、この星の強さを自覚して活かすことが大切になります。
みゅうさんのお母様の強いエネルギーは、ご家族、とくに、長女のみゅうさんに向けられることになりました。
② 大運 壮年期にめぐっていた身強の星
身強の星は、みゅうさんのお母様の社会運を示す大運(だいうん / たいうん)にもあります。
31〜61歳の30年間に、身強の星【冠帯】【建禄】【帝旺】という星が巡っています。
身強の星がめぐる時期は「キャリア運拡大期」
みゅうさんのお母様にとって、身強の星が巡り始めた31歳以降の数十年間は子育て真っ盛りの時期でした。
前項でお話ししたように、もともとお母様は、日柱【印綬 / 帝旺】。頭脳明晰でとても強いエネルギーの星の持ち主でもあります。
・
大運 身強の星の影響もあり、お母様はとても強い運勢エネルギーに見舞われる時期でした(31〜61歳)
身強の星は、仕事など社会活動を通じて活かすことができる星です。
ただ、お母様は専業主婦だったため、生まれたときに与えられていたこの強い星を活かすことが難しかった、と読むことができます。
くるみ
みゅうさんの《note》の気になった部分を引用してみます
高校生になるまで、私は本当によく病気をしていました。
月に1回は熱を出して休んでいたような子です。
幼稚園の卒園式も、熱のため出席できませんでした。
そういうことも母にはイライラさせるようでした。学校を休むたび、
「また休むの?」
「またすぐ熱出して…」
「ほんとに弱い子だね!」
いたわる言葉より、このような言葉ばかりが母から出てきていたのです。
病弱だった娘、みゅうさんに向けられたお母様からの苛烈な言葉は、さらにエスカレートしていきます。
中学生になると今度は拒食症のような症状が出始め、食事がほとんどできなくなってしまいました。
父がひどく心配をし、母に病院に連れて行くように言ってくれたので、病院に連れて行ってもらったという感じでした。
体には特に悪いところもなかったので、お医者さんからは
「ストレスだろう」
と言われたのですが、母はその場で大笑いし、
「この子にストレスなんてあるわけない」
と言ったのです。
そして
「こんな子、産まなきゃよかった」と…
③ 【官】の無い命式と十二運星【胎】
上の命式を見るとわかるように、お母様の命式には【官】の星(偏官 / 正官)がありません。
【官】の星は「秩序・ルール・役割・責任感・行動力」などを意味します。
こちらは、みゅうさんの《note》です。
母は専業主婦で、あまり外に出るようなタイプではありませんでした。
そしてまるで、大人になりきれないまま、精神年齢は子どものまま止まってしまっているような人。
思っていることはすべて吐き出し、思い通りにならないと荒れる。
どんな相手でもかまわず感情をそのままぶつけてくる。
家族に対しても、学校の先生に対しても、ご近所さんに対しても、初めて入ったお店の店員さんに対しても…
「外に出るようなタイプでない」「大人になりきれないまま精神年齢は子供のままで止まっているような人」
みゅうさんから見たお母様の特長は、【官】の星を持たないお母様の命式からうなづけます。
こちら、お母様の命式の月柱の十二運星を見てください。
月柱は、仕事運や壮年期(30〜50代)の運気の特長を読みます。
お母様の月柱にある十二運星【胎】のイメージは「胎児」。
「大人になりきれないまま精神年齢は子供のままで止まっているような人」ではなく、四柱推命では「胎児」のような運気が巡っていました。
④ 命式にない【官】が大運に巡る
自分の命式にない五行の星が大運や年運で動くとき、四柱推命では「運が大きく動く時期」と読みます。
お母様の命式にない五行とは、木の五行で【官】になります(お母様は日主が土の五行であるため)
娘、みゅうさんが中高生時代、お母様は30代後半から40代前半。
以下の大運表を見ると、お母様の五行バランスは、木の五行(甲・乙)の【官】が強い時期でした。
したがって、31歳〜51歳の20年間は、お母様の運が大きく動く時期(変化の時期)になります。
自分の役割に生きる時期
◎仕事上で評価される
◎自分の感情を上手にコントロールし、使命感を持って邁進しているイメージ
▲ストレスがたまりやすく、萎縮しやすい
▲溜めすぎたストレスを一気に爆発させてしまう
【官】の星が動く時期の特長には、◎良い影響、▲悪い影響が出る場合を書きました。
みゅうさんの《note》 から浮かんでくるお母様は、大運【官】の影響で過度なストレスに見舞われていた時期であったことが伺えます。
⑤ 母と娘の関係は、納音
今回、みゅうさんの《note》を読んで一番気になったのが、こちらのくだりです。
私が熱を出して学校を休むことは嫌がりますが、普段の外出もまた嫌がるのです。
どうにか家に閉じ込めておこうとすることもしていたのです。
友達と遊ぶ約束をすれば、外に出ればどんなに悪い人がいるか…注意というレベルではない。「脅し」に近い状態で怖がらせ、遊びに行くのをやめさせることもありました。
小学校に入学したばかりの頃、体育の授業でもしケガをしたら半身不随になる、下手したら命がないくらいのレベルの話をして、私はほとんど体育の授業が受けられなくなってしまっていました。
修学旅行ですら…あの手この手を使い、行かせまいとしたくらいです。
高校受験になると、私の志望校など関係なく勝手に願書を出してしまう。
こういうときだけ
「お母さんはあなたが心配なの」
と言うのです。私への愛情なのだと…
そうかと思えば
「自分の子どもなんだから何をやってもいいんだ」
と言うこともありました。
もうぐちゃぐちゃです。
お母様のみゅうさんに対するやりとりを信号にたとえるなら、青信号になって歩き始めたら、横断歩道の真ん中で急に赤信号になるような。
自動車でいえば、アクセルを踏んで前に進もうとすると、急にブレーキを踏んで止まらなければならない状態に見舞われるような。
そんなイメージが浮かびます。
くるみ
これについても四柱推命で読むことができます。
みゅうさんと、お母様の日柱の干支の関係を見てください
みゅうさんのお母様の日干支【戊午】と、みゅうさんの日干支【戊子】の関係は、天干が同じで、地支が冲(ちゅう)の関係です。
これを納音(なっちん)といいます。
納音(なっちん)
天干が同じで、地支が〝冲(ちゅう)〟の関係
〝冲〟とは、円形に配した十二支のうち、真向かいに位置する支の関係のこと
※全6パターンある
上のチャートを見ると、【午】と【子】は真向かいに位置することがわかります。
四柱推命鑑定は、その人が誕生した年月日時、これら4つの柱を干支(かんし)で原命式を出して読む《命占》です。
干支とは、10種類の天干(甲乙丙丁戊己庚辛壬癸)と、12個の地支(十二支)の組合せのことで、全60種あるため60干支と言われます。
天干の「干」は樹の幹を意味し、地支の「支」は樹の枝を意味しています。
四柱推命より歴史の新しい算命学(生年月日のみの3柱で読む)では、天干=空間、想年、魂など(物理的でないもの無限の世界)に対し、地支=時間、物質、肉体(物理的な有限の世界)を表します。
以上のことから、天干が同じで、地支が冲(ちゅう)の納音が、みゅうさん母娘のように日干支にあるケースを、自分なり次のように解釈しています。
価値観(精神・意識)は同じあるため本来なら理解しあえるはずなのに、行動(現実)が衝突、反発してしまう関係
ちなみに、みゅうさんの日干支【戊子】と、みゅうさんのご長男の日干支【戊午】の関係も納音です。
ご長男とお母様の日干支が同じ【戊午】という点もとても興味深い発見でした。
あとがき
みゅうさんのお母様の命式や命運の特長や、娘、みゅうさんとの関係について、四柱推命の視点からひもといてみました。
みゅうさん、ここまでお読みになってみていかがでしょうか。
お母様のような命式は、社会に出て働き、キャリア運の拡大期を活かせばよい、と言いたいところです。
ただ、そうカンタンにいいきるのは難しい命式でもあるのです。
それは、お母様の日柱と月柱の地支が、火と水の五行が隣り合っている水火激冲(すいかげきちゅう)の関係にあるという点です。
水火激冲
水火激冲とは、五行(木・火・土・金・水)のなかで、最も温度の高い「火」と冷たい「水」がぶつかり合うこと
水蒸気が爆発するように大きな衝撃が起こる状態
- 心身の葛藤が起こりやすい
- 精神的不調(自律神経面、ひどいときは抑うつ状態)につながりやすい
みゅうさんの《note》や、Twitterでのやりとりと重ね合わせて読み取れるのがこちらです。
友達と遊ぶ約束をすれば、外に出ればどんなに悪い人がいるか…注意というレベルではない。「脅し」に近い状態で怖がらせ、遊びに行くのをやめさせることもありました。PTAの役員なども必ず一度はしなければいけないのに、絶対引き受けないなど… 普通は嫌でも、周りの目が気になって嫌々引き受けるものなのですが、どんなに嫌われようが、陰口叩かれようが、嫌なものは嫌だとはっきり言っていました。そのため、周りとのトラブルも多かったのです。
四柱推命では、火の五行と 水の五行の組み合わせは注意を要します。
お母様の場合、日柱と月柱で 水火激冲 が生じるため、自分自身(お母様自身)と世間の間で心身の葛藤が起こりやすい命式であると読みました。
自律神経の失調や、ひどい場合には抑うつ状態に見舞われるなどメンタル面に不調をきたすこともあります。
みゅうさんのお母様は、現在、御年78歳(2020年5月現在)。
こちらの大運表(鳥海流の推命NAVIというシステムで作成)にはありませんが、71歳〜81歳の大運干支は【戊申】、通変星【比肩】、十二運星【病】という社会運の後半を迎えています。
お母様の社会運において、71歳前後からようやく自己確立をうながす自立星【比肩】が巡ってきました。
71歳前後は、30年周期の人生の大きな切り替わり(接木運)も巡っていました。
現在の大運後半(76歳〜81歳)は、金の五行(食傷)が巡っています。
【食傷】は、自己表現の星。
もともと、第二宿命(大運二段目の星で読む)に【傷官】があるように、お母様はとても感性、感受性が豊かなタイプです。
実際に若いころは、多趣味だったとのこと。
嗜んでいた絵画や書道を再開してみるのもよいかもしれません。
今回、みゅうさんの《note》の感想を伝えたところから、思いがけず、お母様の命式を読ませていただくことになりました。
四柱推命講座で一緒に勉強し、活躍している方のなかには、お母様と同じように日柱や月柱に【帝旺】を持っている女性が比較的めだちます。
お母様と同じ専業主婦だった彼女たちも、家庭の中だけではこの強い星の扱い方を見い出せず、自らに刃を向けて苦しんでいました。
命式に【帝旺】や身強の星【建禄】【冠帯】があることがわかった途端、一念発起して四柱推命を学び、いまではイキイキと講師や鑑定師として大活躍しています。
お母様のような日柱【印綬 / 帝旺】を持つ女性は、学んだ知識を体系化したり、これを人に教える仕事で大成をめざす。
そんな生き方がふさわしい星でした。
時間は命そのもの。間断なく流れてゆきます。
いまさら〝たられば〟を言っても始まりません。
ただ、もし、みゅうさんのお母様が、自分と人生のトリセツ(命式)を手にし、これを活かせたなら、いったいどんな人生になっていただろう?
娘、みゅうさんとの関係はどうなっていたのだろう?
いわゆる〝毒親〟や〝機能不全家庭〟などといった厳しく辛い言い回しを、どう捉え直すことができるのだろう?
時間と意識の扱い方を知ることで、生き方や人間関係を立て直すことはできるのだろうか?
そんなことをつらつらと考えました。
・
さいごになりますが、この拙ない鑑定レポートが、みゅうさんにとって何かのお役に立てれば幸いです。
そして、みゅうさんのお母様はもとより、ご健在のお父様のしあわせを切に願っています。
くるみ 拝
くるみ
みゅうさんの《note》はもちろん、みゅうさんのご家族(三人の息子さん)の鑑定も、この機会にお読みください
今回のお母様の鑑定を読んだみゅうさんは、さらにお母様との日々をふりかえり記事を書いてくださいました。
ことちらのリンク先からどうぞ♬