久しぶりに邦画の鑑賞を楽しんできました。
作品タイトルは『人間失格 太宰治と3人の女たち』。
蜷川実花監督の作品です。
蜷川実花監督が語る、映画『人間失格 太宰治と3人の女たち』 https://t.co/tZ7etokB5a pic.twitter.com/YHLGGQ30BN
— 家庭画報編集部 (@KATEIGAHO) September 14, 2019
蜷川実花監督は、写真家(演出家の故・蜷川幸雄さんの長女です)
原色を使った独特の色彩感覚や五感を刺激する彼女の世界に魅了されてきました。
『さくらん』『ヘルター・スケルター』につづいて今回もチェック。
初日に行ってきました。
天才作家・太宰治と彼を取り巻く3人の女性のスキャンダラスな関係を映画化した今作『人間失格 太宰治と3人の女たち』は、構想に7年を費やしたとか。
【四柱推命*自習ブログ】の主です。
当然ながら、事前に太宰治の命式を出して、ざっと目を通してから映画館へ足を運びました。
太宰治の命式の特長は以下のとおり。
- 頭脳の切れる【庚戌】
- 魁罡
- 宿命大半会
- 入水自殺に至る10年の社会運は【偏官 / 絶】
- 主星:印綬
- 自星:偏印
太宰治を四柱推命鑑定|命式の五行バランスは?
3人の女性たちは、太宰の五行バランスチャートのどの五行を刺激する存在だったのか?
これを知りたくなって、帰宅して調べてみました。
以下が、その五行バランスチャートです。
太宰治さん本人の日主は【庚(かのえ)】。
この太宰治の五行バランスと「3人の女たち」の関わり方を、見事なほどわかりやすく表していたのが、映画館の入口に立てられていた3枚ボード。
こちらです。
まずは3枚をご覧ください。
こちらのパネルは、四柱推命(五行思想)について多少知識があると、かなり味わい深い構図として感じられます。
太宰の五行バランスそのものなのです。
3人の女性、それぞれの命式とともにご覧いただきます。
太宰治との関係を四柱推命鑑定|太田静子さん(沢尻エリカさん)
太宰の【比劫】を刺激する、いわゆる〝同志〟太田静子さん(沢尻エリカさん)。
太田静子さんは、大ベストセラー『斜陽』のモチーフになった女性です。
太宰の【比劫】を刺激する、いわゆる〝同志〟の存在。
ふたりの目線はこちら(世間 / 社会)を睨みつけています。
ふたりの命式のパワーバランスもほぼ対等。
仕事運や社会運を示す「月柱」は【劫財 / 傷官 / 帝旺】
太田静子さんは、『斜陽』の資料として自身の日記を太宰に提供しています。
『斜陽』出版後、静子さんは「自分も名前も載せて共著にしてほしい」と太宰に申し出るほど。
月柱【劫財 / 傷官 / 帝旺】の影響がしっかりと出ています。
太宰治との関係を四柱推命鑑定|正妻の津島美知子さん(宮沢りえさん)
つづいて正妻の津島美知子さん(宮沢りえさん)
美知子さんの日干支は【丙午(ひのえうま)】
太宰の五行バランスの【官】を刺激する存在です。
【官】は、秩序、ルール、役割を示す星。
実際、美知子さんは太宰と結婚して、三人の子供を設けました。
美知子さんの家庭運を読む日柱が【劫財 / 帝旺】。
ものすごく強い運(エネルギー)を抱えていた女性だったことがわかります。
美知子さんの日柱【劫財 / 帝旺】が、太宰にとっては大きなプレッシャーになっていたはず…
宮沢りえさんの抑制の効いた演技から秘められた熱いエネルギーを十分に感じられました。
太宰は、ただただ美知子さんに褒めてもらいたかった人だったようです。
太宰本人が不在の場面で、美知子さんが太宰の才能を子供に向かって褒めて聞かせてるシーンがあります。
彼女の言葉は太宰にはついぞ届きませんでした。
プレッシャー【官】と褒める【印】のバランス。
これが大切だということを五行バランスがおしえてくれています。
太宰治との関係を四柱推命鑑定|山崎富栄さん(二階堂ふみさん)
太宰の五行バランスで、この「太宰を包む」役割を担っていたのが、太宰の最後の愛人、山崎富栄さん(二階堂ふみさん)です。
太宰の五行バランスは【比劫】と【印】が強いのが特長です。
太宰の五行バランスの【印】を刺激しているのが二階堂ふみさん演じる山崎富栄さんでした。
【印】は知性の星ですが、これが悪く発揮されると〝妄想に呑み込まれること〟を意味します。
太宰の五行バランスは【印】が強く、ある種〝妄想〟のかたまりです(作家ですから)
ここに山崎富栄さんの「土」の五行が刺激して、太宰の〝妄想〟をより強固にしてしまう関係に。
山崎富栄さんは、烈しい〝恋愛妄想〟で、太宰を入水自殺に導いたファム・ファタール(運命の女)。
二階堂ふみさんの、朦朧としながらも太宰との関係に光を見いだそうとする眼差しの演技。
その一途さには、十分過ぎるほど迫力がありました。
太宰治との関係を四柱推命鑑定|三人の女性の共通点は?
太宰治さん、津島美知子さん、太田静子さん、山崎富栄さんの三柱で出した命式と、パラメーターを並べてみました。
するとおもしろい発見も!
三人の女性に共通しているのは【知性の星:印】が無いこと。
三人の女性は、自分の五行に欠けている【印星】を太宰治との関わりのなかで補おうとしていた様子が見て取れます。
山崎富栄さんは、負けず嫌いの【比肩】が2つ。
プライベートや家庭運を表す日主には責任感と行動力の星【偏官】。
これを、太宰の最晩年を看取ることになった史実と重ねて読みたくなります。
太宰治との関係を四柱推命鑑定|三人の女性が登場した時期の太宰の大運は?
社会運は、大運(だいうん / たいうん)で読みます。
大運とは、10年周期で巡る社会運のこと。
こちらが、太宰治の大運表です。
三人の女性が登場した時期は、35歳〜45歳の10年。
大運干支は【丙寅】【偏官 / 絶】の組み合わせです。
35歳〜45歳の10年間の太宰の大運の特長は
ものすごくパワフルに行動する時期で(偏官)、ミラクルも起こるが、運気の安定感に欠ける(絶)というもの。
実際、この時期は、作品は大ヒットし、太宰治は大作家への道を邁進。
文豪・志賀直哉との対立など、アグレッシブに行動したことでも知られています。
大運干支には、正妻・美知子さんの日主【丙】が入っています。
美知子さんが太宰の大運を支えていた、と読みたいところです。
しかし、二人の女性(愛人)の発覚や、多額の税金が未納だった件など、美知子さんはついに愛想を尽かしました。
この作品を自分なりに解釈すると?
ドロドロとした関係が描かれていますが、見終わったあとの爽快感は、蜷川実花監督ならでは!
途中、思わず吹き出しそうになるシーンも2、3ありました。
この作品をわたしなりに解釈すると
〝太宰治〟という一人の男をテコにして、三人三様の妄想(理想世界)を生きぬいて、自己救済、自己解放にいたる女たちの物語
こんなふうに表現できるでしょうか。
もっとも鮮やかだったのは、津島美知子さん役の宮沢りえさんのラストシーン。
澄みきった青空のようなコバルトブルーの着物姿。
洗濯物を干しながら(太宰の死の深層に迫ろうと)自宅に押し寄せたマスコミ陣に笑顔で対応するシーン…
太宰治という巨大な〝闇〟から解放され、自由の身になった晴れやかな姿は圧巻でした。
蜷川実花監督は、全力で生きぬく女性の美しさも醜さをも描いて、アッパレな人生をスクリーンで魅せてくれます。
そして、四柱推命を使った映画鑑賞の楽しみ方も見つけました。
くるみ
このように、命式をチャートにすると、自分にとってどのような影響を持つ関係なのか?読み解くことができます。
「四柱推命って何?」「自分がどんな星を持っているか興味あります」
そんな方は、ぜひメルマガにご登録ください!