2018年9月15日、女優の樹木希林さんが亡くなりました。
樹木希林という女優を初めて知ったのは、あのテレビCM。
「美しい人はより美しく、そうでない方はそれなりに」
この名フレーズで、お正月の茶の間をなごませた富士フイルムのコマーシャルでした。
大女優、樹木希林さんについて2つ、四柱推命の視点で書いてみました。
樹木希林:「木」の五行が多い風変わりな芸名
樹木希林(きききりん)、じつにユニークで一風変わった芸名です。
五行思想を勉強していることもあり、〝樹木希林〟という名前には「木」の五行がやけに多いことに注目しました。
命式を調べると、樹木希林さんは「木」五行が一つも持っていないことがわかりました。
くるみ
四柱推命を学ばなかったら、こんな発想は出てこなかったでしょう(笑)
欠けている「木」の五行を補うために〝樹木希林〟という名前にしたのかも…確かめようもありませんが、そんな妄想も楽しいですね
五行バランスの調整という開運法
自分の命式にない五行を補う方法を、浅野太志先生(四柱推命講座の先生)も実践されています。
浅野先生も自身の命式に「木」の五行がありません。
そこで、教室のインテリアをグリーン系にしたり、観葉植物を置くなどして「木」の五行を補って、ご自身の命式の五行バランスを意識して調えていらっしゃいます。
改名の際、樹木希林さんが五行思想を参考にしたどうか、今となっては知るよしもありませんが、もしそうなら参考にしてみたい事例です。
樹木希林さんの芸名にまつわるエピソード
ちなみに、樹木希林さんの芸名の由来は諸説あるそうです。
- 「き」という音が好き。
- 宗教団体の希心会の「希」の一字とった。
- 「木が集まって、希なる林になる、人間一人では何もできず、力を寄せて大事を成す」という意味を込めた
樹木希林さんの以前の芸名は、悠木千帆(ゆうきちほ)です。
こんな面白いエピソードもあります。
樹木希林という芸名にしたときのエピソードです。
1977年4月1日、樹木希林さんは、出演したオークション番組で、売るものがなかったため芸名「悠木千帆」を競売にかけました。
青山でブティック店を経営する女性が2万2000円で落札した。
これが、樹木希林という芸名が誕生したおもしろエピソードです。
主星・自星がともに【偏印】、そして、十二運星【絶】を持つ樹木希林さんらしいエピソードです。
【絶】の性質
あの世、肉体を失い魂となった状態
- 没して再生する輪廻の星、逆転の星
- 自由な立場と鋭い感覚が強み
- 融通性があるため、既存のものをきれいさっぱり作り変えていく傾向がある
- 芸能人には【絶】を持つ人が多い
【偏印】の性質
- 改革や超常的なものを好む(つねに面白いコトを探している)
- 変化の激しい環境を生き抜く才能がある
- 知的好奇心が旺盛だが、反面飽きっぽい
- 物事を客観的に捉える能力が高く、感情移入しない
夫・内田裕也さんを命式から理解する
樹木希林さんの夫は、ロックンローラーの内田裕也さんです。
内田裕也さんの家庭内暴力などもあって結婚一年半で別居生活に。
DVが酷くて、こっちもやり返すものだから大変だったのよ。
近所の金物屋で「なんでオタクは包丁ばかり買いに来るの?」って訊かれたこともあったわね(笑)
出展『一切なりゆき〜樹木希林のことば〜』
結婚して8年目の1981年、内田さんは一方的に離婚届を提出。
樹木希林さんは離婚無効の訴訟を起こし、離婚は不成立になった経緯もあります。
内田さんの家庭内暴力や、43年半に及ぶ別居生活について『一切なりゆき〜樹木希林のことば〜』で次のように語っています。
内田とのすさまじい戦いは、でも私には必要な戦いだった
実は救われたのは私のほうなんです
妻という場所があるから、私自身も野放図にならないですんだ
出展『一切なりゆき〜樹木希林のことば〜』
内田裕也さんのDVは命式に顕れていた
家庭内暴力が酷かったというエピソードは、内田裕也さんの命式にそのまま顕れているように思えます。
四柱推命では、月柱の【正官】【偏官】【絶】と、日柱の【劫財】【帝旺】、そして「日座中殺」がそれを示しているから。
こちらが内田裕也さんの命式です。
❶【正官】【偏官】の組み合わせは「外面は良いが、家族に対しては気むずかしい」と読みます。
【絶】は不安定な性質があるため、これを持つ人は、社会適応が困難だったり、精神的に不安定で孤立しやすい側面もあります。
なかでも、【偏官】【絶】の組み合わせを持つ男性は、自分で自分を傷つけやすい傾向があります。
信号機にたとえれば、常に青信号だと思ってグングン前へ進もうとしている状態(偏官)であるのに、赤や黄色の信号をちらついているため(絶)、【偏官】の性質がスムーズに発揮できない状態です。
家庭内暴力や3回の逮捕歴を持つ、内田さんのやり場のないエネルギーは【偏官】【絶】が作用していたのではないか?
命式からそんなふうに考えました。
くわえて、「こうすべき、こうあるべき」という価値観の強い【正官】があります。
内田さん自身は、理想の自分と現実の自分との間に落差や矛盾を感じ、葛藤を抱えて生きてきた方であるように命式から感じられました。
❷プライベート(家庭)を見る日柱に【劫財】【帝旺】があります。
【帝旺】は、運勢エネルギーが十二運星で最高の王様の星。
【劫財】【帝旺】の組み合わせは、権力志向の強さを意味し、男性で、この2つが日柱にあれば「超・亭主関白」タイプです。
❶、❷をあわせれば、夫である内田裕也さんの家庭内暴力に悩まされた実態を、命式から読み取れます。
極めつけは❸月柱に日座中殺があることです。
日座中殺は離婚の星。
正式な離婚には至りませんでしたが、ふたりは生涯別居というかたちをとりました。
【絶】を持つ同士の〝絶妙〟な夫婦関係
じつは樹木希林さんも、命式の年柱に【絶】があります。
互いに【絶】を持つ個性的な二人は、鋭い感性と自由な立場を保ち、絶妙にバランスをとりながら夫婦としての関係を成り立たせてきた。
四柱推命で、そんなふうに受け取りました。
そんな二人の独特な生き方が感じられる、夫婦初共演で話題を呼んだ結婚情報誌「ゼクシィ」のCM。
クオリティの高い映像作品です。
樹木希林さんが亡くなって、ふたりの命式とともにこのCMを見返すと、また違った味わいがあります。
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文中で取り上げた『一切なりゆき〜樹木希林のことば〜』は、雑誌のインタビュー記事からコメントを編纂してまとめられた一冊です。
苛烈で濃密な人生を送りながら、つねに自分自身をおもしろがれる器の大きさ。
人々の弱さをやさしく包み込む日主【癸】の性質が、そこここにあふれています。
樹木希林さんの人生からしぼり出された濃厚で濃密なエキスを、活字を通して味わえます。
富士フイルムの公式サイトおよび同社のYouTube公式チャンネルで公開されています。
くるみ
離婚の星として知られる日座中殺について、芸能人の事例を添えて解説した記事です。
命式に日座中殺がある方のアドバイスも書いています