『82年生まれ、キム・ジヨン』を四柱推命で読んでみた

『82年生まれ、キム・ジヨン』を読み終えました。

韓国で100万部を超える大ベストセラーの話題作です。

3月3日に発表された「Twitter文学賞」では、この『82年生まれ、キム・ジヨン』は、海外編第2位にランクインしました。

この本は、1982年に生まれたキム・ジヨンという韓国に生まれた、ごく普通の女性の半生を描いた〝フェミニズム小説〟。

「キム・ジヨンはわたしだ!」という は、韓国では着実に広がっているといいます。

この作品の映画化も進んでいます。

日本でも翻訳本が昨年12月上旬に刊行され、1ヶ月で重版が決まり5万部を達成し、2月現在8万部を超え、海外文学作品では破格のヒットを飛ばしています。

このブログは【四柱推命*自習ノート】です。

四柱推命の視点で『82年生まれ、キム・ジヨン』に触れてみることにします。

ヒロインの誕生日の設定で、四柱推命を参考にした?

この作品を読んで一番気になったこと。

それは、ヒロインの誕生日を設定する際、四柱推命を参考にしたのではないか?ということでした。

主人公のキム・ジヨン氏は、1982年4月1日生まれ。

キム・ジヨン氏の命式を四柱推命で調べてみると、ストーリーと重なる点がいくつも垣間見られるのです。

まずは、キム・ジヨン氏の命式で気になった点を書き出してみました。

メモ

  1. 強靱な意志力とバイタリティが取り柄の比劫突出タイプ
  2. 現在(33歳)の大運に日座中殺【庚子】
  3. 精神を患った2015年は「空転の時期」
  4. 19歳〜39歳の20年間は大運天中殺
  5. 仕事運を示す月柱【印綬+劫財+帝旺】

キム・ジヨン氏の命式を読んでみた

こちらがキム・ジヨン氏の命式です。

(小説の中でも「キム・ジヨン氏」と描かれているので、この表記を使います)

キム・ジヨン氏の命式は、比劫(水の五行)が突出しているタイプです。

比劫突出タイプは、次のような特長があります。

比劫突出タイプの特長

  • 強靱な意志力とバイタリティが取り柄
  • 何に対しても自分のこだわりがある
  • 一見ソフトで社交的に見えても、人は人、自分は自分と考えるタイプ

 

比劫のエネルギーが強い人の特長

  • 自分が本当にやりたことに取り組むことで、爆発的なエネルギーを発揮する
  • 自分のスタイルを変化させることを余儀なくされるようなことに動揺しやすく、自分がこころに決めていたことを覆せないという悩みに支配されやすい

同じタイプに、元女子柔道家の松本薫さんがいます。

松本薫さんの命式には〝野獣〟も〝美女〟も現れていた!

33歳のキム・ジヨン氏を巡る過酷な運気

次にキム・ジヨン氏の現在の大運を見てみます。

大運とは、10年の周期性を持った人生の運の流れのこと

自分を取り巻く社会運を表す

キム・ジヨン氏が精神に患い、精神科を訪れたのは33歳を迎えた2015年。

29歳〜39歳の大運に日座中殺【庚子】

【庚子】は日座中殺です。

日座中殺とは【甲戌(きのえ いぬ)】【乙亥(きのと い)】【庚子(かのえ ね)】のこと

大運に日座中殺が巡ると、その時期に離婚する可能性が高くなる、と読みます。

キム・ジヨン氏の精神疾患の影響で、夫婦関係や家族(とくに夫側の親族)が危機をはらんでいる様子は、作中からもわかります。

ちなみに、檀れいさんは現在の大運に【庚子】が巡っていました。

(余談ですが、タレントの川崎麻世さんと離婚裁判中のカイヤさんの現在の大運にも【庚子】が巡っています)

19歳〜39歳までの20年間が【大運天中殺】

くわえてキム・ジヨン氏は、19歳〜39歳までの20年間が【大運天中殺】です。

鳥海流では大運天中殺は「入りの5年と出の5年が要注意の時期(とくに病気や事故など)」と読みます。

2015年は【空転の時期】

ちなみにキム・ジヨン氏の精神状態が危うくなった2015年は、12年周期のバイオリズムで見ると【空転の時期】。

【空転の時期】は努力が空回りしたり、孤独感が強くなる低迷期です。

がんばっても成果が出なかったり、ピンチから脱出しようと協力者を求めてもなかなか適任者が現れず、精神的にかなり辛い局面に追い込まれる時期でもあります。

(鳥海先生は講義で「空転の時期は天中殺より辛い」とも話していました)

キム・ジヨン氏の現在年齢をめぐる運の特長について3点(①日座中殺、②大運天中殺、③空転の時期)を書き出してみました。

いずれにしても、キム・ジヨン氏は過酷な時期の最中だと、四柱推命では読み取れました。

家庭に収まるのはNGの命式

キム・ジヨン氏の命式を鑑定士の仲間に見せたら、「ゼッタイに家庭に収まってはだめ!」「結婚したいならできるだけ晩婚をお薦めする」と口を揃えて言うにちがいありません。

そういう命式なのです。

そう考える理由は、2つあります。

①日干支【甲寅(きのえ とら)

②月柱【劫財+帝旺】、日柱【比肩+建禄】

「日干支」はその人の内面性を表します。

全部で60(六十干支)あるため、内面の性質は60パターンに分けられます。

【甲寅】の性質

日干支の組み合わせは全部で60ある

春の樹木:非常に勢いのある完成した果実の木を意味する

  • 自尊心が強く、飾り気のない素直な人柄
  • 直情的でストレートだが内面は脆く、取り越し苦労が多い
  • 強い責任感、面倒見の良さから周囲に頼られがちだが、職業的にはサラリーマンは不向き
  • 個人プレイが活かせる自由業や技術職が適当

あの王様の星【劫財+帝旺】が月柱に

続いて、月柱【劫財+帝旺】、日柱【比肩+建禄】について。

キム・ジヨン氏の命式は、非常にタフであることは一目瞭然です。

しかし、仕事と育児の両立が困難になりキャリアを犠牲にせざるを得ませんでした。

その結果、彼女の個性である強力なリーダーシップの星【劫財+帝旺】は陰転、すなわち、自分自身を抑えつけるエネルギーに裏返り、キム・ジヨン氏は抑鬱状態に追い込まれました。

ちなみに、キム・ジヨン氏の命式の月柱【印綬+劫財+帝旺】を見て、まっさきに浮かんだのがあの女性でした。

映画『天才作家の妻 40年目の真実』の妻・ジョーンです。

この作品を見た際、妻・ジョーンの生年月日を知るわけでもないのに、妻・ジョーンの命式の月柱は【印綬+劫財+帝旺】というイメージが湧きました。

(四柱推命を学んだ人には〝あるある〟現象かもしれません)

【印綬】の特長

  • 知性派で理性的、勉強や研究に熱心
  • 出世やお金よりも名誉を重んじる
  • 母性の星(慈愛、包容力、忍耐力)

 

【劫財】の特長

  • 競争心、型破り、自己本位
  • 自分にメリットがある人とは絶対に仲良くなれる
  • 欲しいものがあれば手段を選ばない
  • 人を引きつける魅力がある
  • 変化の激しい環境の方がイキイキする

 

十二運星【帝旺】の特長

  • 頭領、王様の星
  • カリスマ、トップ、統率力、絶対的な存在
  • 実力を存分に発揮し、目的や目標を次々と達成していく強い星
  • プライドが高く悠然としている

【劫財+帝旺】の組み合わせは〝強いリーダー〟の星です。

四柱推命を学ぶ女性に多い星とは?

鳥海流・四柱推命を学んでいるメンバーには、命式に【劫財+帝旺】や十二運星【帝旺】を持つ女性が目立ちます。

なかでも【劫財+帝旺】は〝自主自立の星〟〝王様や経営者の星〟

このパワフルな星を持ちながら、女性役割(妻、母親)を優先させる生き方を選んだ彼女たちですが、自分の命式を知り、この【劫財+帝旺】を活かしきれていない自分自身に気づき、一念発起して四柱推命を学び、鑑定師や講師として活躍しています。

とくに女性で【劫財+帝旺】の組み合わせや十二運星【帝旺】が命式にある方は、これを本当に活かしているかを問いかけてみることが大切です。

四柱推命に出会い、人生がガラリと変わってイキイキと活躍する彼女たちの姿を間近に見て、とみにそう感じます。

映画『天才作家の妻 40年目の真実』のジョーンの生き様が重なる

小説『82年生まれ、キム・ジヨン』のキム・ジヨンの生きづらさは、映画『天才作家の妻 40年目の真実』のジョーンのそれと重なります。

この記事を書くにあたって映画『天才作家の妻 40年目の真実』についてふれたツイートを探した際、このノートに刻んでおきたいツイートがあったので記載しておきます。

主演を務めたグレン・クローズ(71歳)の、SAGアワード(全米映画俳優組合賞)の授賞式のバックステージで記者に対してした次のコメントは、『82年生まれ、キム・ジヨン』のメッセージと重なり、胸が熱くなります。

この映画は、セクハラ告発運動『#Me Too』が勃発する前に撮影された作品です。ゴールデングローブ賞の授賞式でも話しましたが、私の母親のフェミニズム意識は極めて低いものでした。

私の祖母が亡くなった後に知ったのですが、彼女の夢は女優になることでした。でも女優を目指すことすら許されなかったのです。今こうして彼女の結婚指輪を身につけることによって、彼女の夢を叶えることができたように思います。

今、人生のすべてを父に捧げた母のことを考えています。母は80代になってから、ある日突然『私はまだ、何も成し遂げていないような気がする』と私に言ってきました。でもそれは違うと思います。私がこれまでの経験から学んだこと、それは女性である私たちには、育てる能力があるということです。

私たちには、育てることが求められているのです。運が良ければ、愛する男性やパートナーと結婚し、子どもを育てる機会にも恵まれます。でも最も大切なのは、自分を満たすことです。夢を諦めてはいけません。常に『私ならできる、夢を追い続けてもいいんだ』と自分に言い聞かせるべきだと思っています。

グレン・クローズのスピーチはこちらでご覧になれます。

自分の〝違和感〟を声に出そう

1982年4月1日生まれのキム・ジヨン氏の命式を読んでみました。

小説の登場人物だとわかりつつも、ストーリーを裏付ける命式に「よくできている」と目を見張りました。

自分にとっての〝違和感〟を大切にしよう。

〝違和感〟を掘り下げて、自分の言葉で語れる人になろう。

〝違和感〟を感じる理由を自分の言葉で伝える術を身につけよう。

『82年生まれ、キム・ジヨン』を読み終えたいま、このことを強く感じています。

大学在学中に学んだ〝フェミニズム〟の影響を色濃く受けたこともあって、いわゆるキム・ジヨンが選んだような生き方を選びませんでした。

この世の〝真理〟には二つの側面があります。

〝フェミニズム〟でいえば、それは「女性にとっての真理」と「男性にとっての真理」になります。

この両側面から〝真理〟をとらえる視点が、女性、男性どちらにも大切だと考えています。

フェミニズムの第二の波へ大きな影響を与えたアメリカのフェミニスト作家に、ケイト・ミレットという女性がいます。

1970年に著書『性の政治学』で記した「個人的なことは政治的なこと」という彼女の言葉が思い出されます。

『82年生まれ、キム・ジヨン』を読んで感じたのは、キム・ジヨン氏のこの社会における違和感をキャッチする感受性の強さと、これをアウトプットする能力の高さです。

「個人的なことは政治的なこと」と捉え、一人ひとりが自分の違和感を発していくことがとても大切だと感じています。

どのような変化も革命も、ここから始まると信じています。

韓国で広がる は、日本ではどのようなカタチで広がりを見せるのか?とても興味があります。

作品は8万部を突破し、胎動は始まっています。

ひとりでも多くの人たちがこの作品を手にし、本作が投げかけるメッセージの本質的な面を受けとめ、かかえてきた〝違和感〟をシェアする流れが加速していってほしいと強く感じています。